2007年10月21日

川島の家【数奇屋・茶室】

徳島では殆ど観ることのできない本格茶室を備えた現代数奇屋になります。
最近では、こういった仕事ができる職人さんが減ってしまい、大工さんは東京から来て頂き、
木材は京都に実際に足を運び一本一本、吟味してまいりました。
他の仕事も彼方此方に手を尽くして「技」と「素材」を揃えました。
こういう仕事は知っていなければできない事が多く、
こういう仕事を統括できるのがガル・Space Designの強みだと思います。
もし、宜しければご覧下さい。
【川島の家】http://www.gsd-web.com/works/2007_1.html

2007_1-5.jpg
これこそ大人の建築です。


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2007年10月20日

扁額。

こんにちは。
こんばんは。
白に赤。
日本の色が入ったお菓子に不祥事は悲しいです。


今日『川島の家』のお施主さんから突然の電話が入り、
お茶室の「扁額」*が届いたという一報を頂きました。
ちょうど鴨島の「寅の茶屋」でお昼をとっていたので、
午後一番急遽、川島へ向かうことにしました。

*建物や門などの名前が書かれた、門戸や室内などにかける細長い額のことです。

見せて頂いた扁額は、それはもう素晴らしいものでした!!
実は、この度『川島の家』のお茶室はお家元から『清陰庵』という名前を頂きました。
その『清陰庵』と名前が書かれた扁額は、
見事な「書」!
見事な「彫り」!
見事な「木」!
で構成されており、吸い込まれるように、いつまでも見入ってしまいました。

今日は良いものが見られました。
このような名前の頂ける茶室をつくることに関われたことを幸せに感じました。
それにしても、お茶の世界は奥が深いです。

まんまと飲み込まれております。

R0016843.jpg
「宗室」の名前が輝いております!
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2007年10月12日

緑。

こんにちは。
こんばんは。
自分の口で発言することには、相当の覚悟が必要だと思います。
それこそ、切腹するくらいの覚悟が。
日の本の拳闘家には武士道の魂が息づいているはずです。
あの親子には「葉隠」を一読することを願います。


阿波三松園の三浦さんにお願いしていた『川島の家』の茶庭がほぼ完成したというので、
ちょっとした用事も兼ねて川島へ行ってきました。

「緑」が入ると本当に建物が生きてきます。
正直、建物が少々格好つかなくても「緑」が生き生きとしてくれればそれなりに良い感じになります。
それだけに、建物が良ければ「緑」と相まって、より一層気持ちの良い空間になることができます。

「緑」は本当に良いです。
そこに「命」を感じます。
そして「時」を感じます。

僕は根っからの緑化推進派です。

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これから、緑が育てば、もっともっと良くなるハズです。
お楽しみはこれからです。
posted by hara takuya at 19:36| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月12日

竣工図を持って。

こんにちは。
こんばんは。
安倍首相の辞任にはびっくりです!
ところで該当者不明の年金記録の名寄せを来年3月までに完了する約束はどうなるのでしょうか??


今日は完成した「竣工図」*を持って、久しぶりに「川島の家」を訪ねてまいりました。

*建物を建てるときは「設計図」を用いて行いますが、
現場が進むうえでいろいろな変更などが生じますので、
最終的な工事完了時での状態を「竣工図」として製本します。
「竣工図」があることで、建物に何か不備があった場合のメンテナンスや、
将来的な増改築を行うために、新たに設計したりする場合等に何かと便利です。

突然、訪問したのに関わらず、家中のあちらこちらに「お花」を活けておられ、
とても大事に住まわれているという印象をヒシヒシと感じました。

確かに、お引き渡しをした後は、その建物はお施主さんのものであり、
私達があれやこれや言える立場ではありませんが、
それでも一所懸命に設計したという自負がありますので、
出来る限り大事にして欲しいという「願い」があります。

それだけに、本日のお施主さんの住まわれ方は本当に感激しました。
設計者冥利に尽きます。

娘を送り出す父の気持ちとは、こんな感じなのかな?なんて勝手に思ったりもします。

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和室10帖のお床には「薮茗荷 (やぶみょうが)」の一輪挿しをされておられました。
ただ、一輪あるだけで部屋全体が凛と引き締まります。
posted by hara takuya at 23:59| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月08日

あれから。

こんにちは。
こんばんは。
まだ、少し暑いですね。
でも、窓からはトンボの群れがてんやわんやで飛んでいます。
もうすぐ、秋ですね。


そういえば『川島の家』がどうなったのか、書いていないことに気付きました。
というのも、実は「庭」がまだ完成していないので、気持ちの上でまだ未完成のままなのです。

それでも、お施主さんは5月から住まわれています。
とっても喜んでいただけて「ほっ」としております。

そういえば『おはようとくしま』に「川島の家」が登場しました。
僕も少し映っていたようです。(自分では見ていないので・・・)

庭の完成が待ち遠しいです。
そのとき、きっと素敵な写真でご紹介できると思います。
お楽しみに。

R0015570.JPG
四国放送の車です。
こういうのを見ると、ついついミーハーになってしまいます。
posted by hara takuya at 11:19| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月02日

頂へ。

こんにちは。
こんばんは。
黄砂が凄くて、遠くの景色は全然見えませんでした。
夕方頃は太陽を肉眼で直接見ても平気でした。
それにしても、よく中国から辿りつけるものです。
子どもの頃、父がこれは中国から飛んで来ているのだと
教えてくれたのですが、ずっと嘘だと思っていました。
黄砂が吹くたび工藤静香を口ずさんでしまいます。

ついに『川島の家』もクライマックスが近づいてきています。
最近、所長(父)と『川島の家』を振り返って、苦労話をする機会が増えてきました。
所長にしてみると、「過去最大に苦労した現場」だそうです。
正直、死ぬ想いをしたようです。
確かに、図面を描いている時に「ワシが死んだらお前が後を進めるんだぞ!」と言われていました。
冗談だと思っていたら、本当に死にそうだったみたいです(今だから、笑)
死ななくて良かったです。

それにしても、建築家という仕事は本当に命を削る部分も大袈裟ではなくてあるように思います。
お客さんの大切なお金を預かって、一生を費やす「場」を考え抜き、産み出す仕事なのです。

夫婦は愛を築き、
そして、子を育み、
いずれ、子は巣立ち、
夫婦は残りの人生を豊かに生き抜く。

そんな一生の「場」をほんの僅かの設計期間で考え抜かなくてはなりません。
軽い気持ちでは向かい合えられません。
真剣勝負で立ち向かわなければなりません。

真剣勝負なら斬られることも覚悟の上です。
仕事の上で死ねるのは本望です。
でも、生き抜いてこその仕事です。
愛する家族のもとへ還るのも男の努めでしょう。

『川島の家』も完成間近。
登るべき頂上も目に見えて、もうすぐその頂に旗を突き刺せそうです。
(といっても、家だけが完成で外構工事は残っているのですが・・・)

その頂から見える景色がどんなものか、楽しみで仕方ありません。
その際、黄砂は勘弁していただきたいものです。

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足場も取れてスッキリしました。
一番手前がお茶室です。
数奇屋建築も良いものでしょう?
posted by hara takuya at 23:21| 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月12日

ただいま。

こんにちは。
こんばんは。
お久しぶりです!

ついに昨日、ずっと取り組んでいました仕事を上げることができました。
キャンディーズではありませんが、これでの普通の男の子に戻れます(?)

ただ、心残りは『凍熱―ハンス・ペーター・クーン』展に行き損ねたことです。
ちょうど、昨日最終日でした。
巡回展があるようでしたら、県外でも行きたかったのですが、それもない模様です。
残念。

今日から、所長がひとりで監理していた『川島の家』の現場に復帰することができました。
暫く見ていない間に現場は見違えるように進んでいました。
浦島太郎はこんな気分だったのでしょうか?

壁が出来て、
天井が覆われ、
キッチンが置かれ、
家具がはまり、
タイルや石などが貼られていくと、
本当に家らしくなっていきます。
弥が上にも気持ちが高ぶってきます。
祭りが近づいてきているのに似ているかもしれません。
あるいは、祭りの最中なのかもしれません。

完成は待ち遠しいけれど、家が出来ていくのをずっと眺めていたい気持ちもどこかにあります。
家づくりに携わる皆さんがやっぱり素敵なんです。
ひとつのものをみんなの力でつくり上げるのはやっぱり素敵なんです。

最初は父と二人で紙切れに描いた線が100倍の大きさの形になること。
設計事務所の仕事もやっぱり素敵なんです。

さぁ、がんばろう。

R0014548.JPG
外壁のリシンを掻き落としているところです。
今日は左官屋さんが10人入っていました。
いよいよ大詰め!
posted by hara takuya at 23:46| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月11日

げんのう。

こんにちは。
こんばんは。
またもや月曜日がはじまりました。
さすが師走でどんどん何もかもが盛り上がってきている感じがします。
この勢いに乗り遅れないようにしないといけませんね。

今日はもうお馴染みの『川島の家』の現場の日です。
誰もが今年中に終わらせておきたい目標があり、現場はヒートアップしています。
雨ニモマケズ(最近天気が悪い。。。)
寒サニモマケズ(冬ですから。。。)
暗サニモマケズ(日が暮れるのが早くて手元が見えにくい。。。)
皆さん頑張っておられます。

その中でも一段と光る仕事をされているのは東京から助っ人で来られている大工さんです。
それはもう、とてもとても難しいお茶室の仕事をされているのですが、
僕はその仕事っぷりに一流の板前さんの雰囲気と似ているような印象を持ちます。
そんな名人の使う大工道具はどうしても気になるもので、今回頼んで見せてもらいました。

名人の大工道具は、それはもう使い込まれたオーラがビシバシと伝わってきて本当に感動しました。
なかでも惹かれたのは『玄翁(げんのう)』で、いわゆる金槌です。
その大工さんの玄翁は自分に合ったように自分で作ったものだそうで、
ホームセンターで売っているものとは全然違う雰囲気を持っていました。
持ってみてもよいと言って下さったので、嬉しさと恐る恐るでドキドキしながら
握ってみるとなんともいえないバランスを持っており、手が自然と釘を打ちたくなるのです!
これにはビックリしました!手が釘を打たずにはおられない衝動に駆られるのです。
よく「妖刀」というものが人を切りたくなって、それを呪いのせいにする話は聞きますが、
それは、まぎれもなく「名刀」だったんじゃないかと思いました。

「弘法筆を選ばず」と文字を書くのが上手な人間は、筆の良し悪しを問わないと言われていますが、
本当は、良い書を書くためには筆は使い分けるべきの意味だと聞いたことがあります。
そして漫画『タッチ』で有名なあだち充氏を取り上げた『実録あだち充物語』の中で
『漫画家十訓』という漫画家のための戒めが紹介されているのですが、
そのひとつに「一、弘法筆を選ばずとも、ペンと紙とはよく選べ。」ともありました。
やはり一流となるには「道具」に対して、きちんと向き合わなくてはいけないのかもしれません。
イチローも試合の後は本当に大事にグローブを磨いています。
それが建築家にとって何なのかは今すぐに思いつかないのですけどね。。。

とても貴重な体験ができ自分は幸せものです。
本当に凄かったんですよ!!

R0013037.JPG
この柄のカーブが本当に絶妙でした。
これはもう芸術品です。
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2006年12月04日

さむい。

こんにちは。
こんばんは。
月曜日は『川島の家』の現場の日。
所長は毎週、現場の帰り道に『ロト6』を買っています。
これがなかなか当たりません。
今日はロト6に加え、『年末ジャンボ』も買っていたようです。
これもきっと当たらないだろうなぁ。

というわけで、今週も『川島の家』の定例打合せを行ってまいりました。
現場事務所にはストーブが出され、熱いお茶を飲みながらの打合せです。
現場事務所での打合せのあとは、職人さんたちの仕事を見て回ります。
今日の外は本当に寒くて、会う人、会う人、みんなの挨拶が「寒いねー。」
になっていました(笑)
いや、本当に寒かったです。
これから本格的に厳しい季節です。
皆さんのご健康を心よりお祈りしています。

僕の風邪はおかげさまで、ほぼ完治しました。
所長は悪化し、声が誰のものかわからなくなっています(笑)
健康第一!

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茶室部分の下屋(げや)に銅板が葺かれはじめました。
見事に銅(あかがね)が輝いております。
これが、そのうち酸化し緑青(りょくしょう)へと変化していくはずです。
本物の建築は時間とともに味わいを深めます。
偽者の建築は時間がたてば朽ちていくだけです。
この銅板屋根はこのたび『現代の名工』に選ばれた宇坂さんによるものです。
http://www.topics.or.jp/Old_news/n06111804.html
本物の仕事は惚れ惚れしてしまいます。
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2006年11月20日

しみじみ。

こんにちは。
こんばんは。
最近、行く先々で「ブログ読んでますよ」というお声をいただきます。
全然、コメントの書き込みがないので心配だったのですが読んでもらえているようですね。
でも、面と向かって「読んでますよ」と言われるのは恥ずかしいですね(笑)
よし、がんばらねば。

さて、月曜日は恒例『川島の家』の定例打合せの日。
今日は職人さんが少なめで、静かな現場でした。
その分、普段職人さんが作業されていて遠慮しながら覗いていた部分を見ることができました。
時間をかけてじっくり見ていくと、本当に『家』になっていっている実感がジワジワ湧いてきます。
所長とふたりで喧嘩したり、怒鳴られたり、協力したりしてコツコツ描いた図面が、
現実の『家』になっていくのは本当になんともいえず、いつもジワッときます。
去年の今頃は本当にふたりして気が狂いそうになりながら図面を描いていたなぁ(笑)
今となっては笑い事ですけどね。

大変だったこと、苦労したことほど、キラキラとした思い出になりますね。
これがあるからやめられません。
でも、睡眠時間はとりたいですね(笑)
わがままな人間です。

『川島の家』完成はまだまだです。
感傷にひたるのはほどほどに、これからもよりいっそう頑張ってまいります!
よろしくお願いします!

R0013242.JPG
居間の壁も土で覆われ、開口部がちゃんと認識できるようになりました。
この部屋は障子がすべて引き込まれるので、この開口がこのまま確保されます。
庭も素敵なものが完成する予定ですので、完成後のこの部屋からの風景も本当に楽しみなんです。
(今日は水たまりが下に広がり、部屋が水に浮かんでいるように見え、これはこれで風流でした。)
posted by hara takuya at 23:58| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月13日

チームワーク。

こんにちは。
こんばんは。
最近、日が暮れるのが早くなりましたね。
本日の『川島の家』の現場も皆さん投光機を使って、暗くなっても頑張っておられました。
気温もどんどん下がっていますし、職人さん方には本当に頭が下がります。

今週も始まりは『川島の家』の現場です。
現場はどんどん進んでも、打合せ事項が無くなることはありません。
毎週、何かしら新しい局面に突入します。

それにしても、建築というのは本当にチームワークの仕事だと痛感します。
現場という、ひとつの家(建物)にそれぞれのプロフェッショナルが集い、
それぞれの知識・経験をぶつけ合います。
家(建物)は文化と技術の集合体だと毎回あらためて感じざるをえません。

それぞれのプロフェッショナル達が積み上げてきたレベルが一定以上を満たさないと、
打合せとして成立しません。
それぞれは違う分野であれど建築という共通言語があり、お互いがお互いの要求を理解し合い、
ひとつひとつの問題を解きほどいていく瞬間は何物にも変え難い快感があります。
もちろん、お互いのレベルが高ければ高い程、訪れる快感は増していきます。
といっても、まだまだ自分はヒヨッ子なので、その光景をただただ眺めるだけで、
一刻も早くその輪に入りたいとウズウズするばかりです。

建築って本当に面白いと思います。
ただ、自分の人生の全てをかけても、己自身が満足のいく到達点に辿り着けるか心配でもあります。
それぐらい奥が深い職業に思います。
日々、勉強!それしかありません。

明日もがんばるぞ!

R0013187.JPG
夕闇の中、進む現場。
お茶室部分の丁寧な仕事が投光機以上に光っています。
posted by hara takuya at 23:54| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月06日

眼の変化。

こんにちは。
こんばんは。
また、月曜日なんですね。
一週間早い早い!

さて月曜日といえば恒例『川島の家』現場打合せの日です。
『川島の家』といえば、お茶室を4.5帖の間、10帖の間、立礼の間と3つを備えております。
無理矢理ですが、そんな訳で今日は、お茶繋がりの話を書こうと思います。

僕は高校生頃までは茶の好みとしたら、断然『古田織部』が好みでした。
織部の茶碗の歪み、そして緑と大胆な文様に惹きこまれ、これこそ意匠だと信じ込んでいました。
瞬間的に圧倒するだけの個性を秘めており、いや、秘めてはいない、発しており、
若い僕は簡単に呑み込まれてしまいました。

その当時は『千利休』や『小堀遠州』の茶では物足りず、いまいち引っ掛かりを得ませんでした。
しかし、最近になって織部では、どうも眼が疲れてしまい、ついつい後ずさりしたくなってきました。
すると、逆に利休の無駄のなく凛とした存在感に自然と安心を覚えてくるように変化してきました。
僕は織部が利休に劣るとは考えておりません、むしろ自分が若さというエネルギーを失い、
織部と向かい合うだけの精神力が無くなったのではないかと思っております。
その状態に、静かに利休が染み込んできたように思います。

作家の椎名誠が「男はトンカツが食べられなくなったら終わりだ。」と言っていたように覚えています。
トンカツをガツガツ食べられていた頃は織部が丁度良かったのです。
トンカツを普通に食べはじめたら、利休がわかりはじめたように思います。
織部が好きだった頃の自分が未熟かといえば、確かにそうですが、正直羨ましくも思います。
あの頃の自分は今観ているものと違うものが観えていたように思います。
それが、失ってしまった大事なもののような気がしてなりません。

遠州の『綺麗さび』は未だ中途半端な気がして、イマイチそそられませんが、
そのうち何かを感じる日がくるやもしれません。
それは、それで楽しみでもあります。
現在、観えているものは失わず、新しくモノを観る眼が欲しいと心より願います。

『川島の家』のお茶室がどう出来上がるか、本当に楽しみです。
といっても、僕はお茶が出来ないもので情けない限りです。
父(所長)がお茶を習え習えとばかり言うもので、返って反発したくなるのが息子の感情なんですよ。
いつか、こっそり習いに行こうかと企んでおります(笑)

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屋根の瓦と土壁が同時進行中です。
いよいよ本当に家らしくなってきました。
今日は曇り空で写真が暗いですね。
posted by hara takuya at 23:50| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月30日

うつろい。

こんにちはー。
こんばんはー。

また、1週間がはじまりました。
もちろん月曜日は『川島の家』の定例打合せの日です。
打合せに向かう車中で神山の山も少しずつ紅く色づいてきているのに気が付きました。
我が家は既にコタツも設置されました。
3匹のネコは暖かいポジション探し真っ最中です。

フジグランに出かけるとハロウィングッズは値下げされ、
クリスマスグッズが主流になりつつありました。
もうすぐ冬ですね。

R0013047.JPG
ついに『川島の家』の屋根に瓦が敷かれはじめました。
どんどん家らしくなってきます。
『川島の家』は一文字瓦葺きとなっております。
一文字瓦はとてもシャープな印象を与えてくれます。
完成次第に、また写真をアップできたらと思います。
瓦屋根ってやはり何か特別な感じがしますね。
posted by hara takuya at 23:52| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月18日

茶室。

こんにちは☆
こんばんは☆
毎週、水曜日は『ゆるナビ』の日☆
ガヤガヤ、にぎやかにすればよいと勘違いされ、バラエティ全般がテレビを席巻しているなか、
ゆったりと安心して見られる良質の番組です。
おすすめです☆

ゆるナビ〜ゆるやかナビゲーション〜(NHK)
http://www.nhk.or.jp/yurunavi


今日から『川島の家』の、お茶室の建前(たてまえ)がはじまりました。
居宅部分の棟上(むねあげ)は先日ご報告したように終わっているのですが、
茶室部分に関しては工期と手間の都合により別日程で建前を行うことになりました。

お茶室の仕事は複雑かつ繊細な仕事が多くあります。
先日ご紹介した東京の大工さんが力を貸してくださっているのですが、
ひとつ、ひとつ本当に丁寧に手を動かされ、静かで透明感のある仕事をされます。

お茶室は材料も高価なものですので失敗は許されません。
規模としては小さなものですが、慎重に慎重に仕事をしなくてはなりませんので、
棟上にはもう少し時間がかかります。
また、ご報告できればと思います。

また、ひとつ楽しみが近づいてきます。
これは本当に楽しみです!

R0012860.JPG
茶人であり建築家のガル・Space Design原政仁が、
徳島の文化として誇れる本物の茶室を目指し、
魂をこめて設計した茶室がついに動きはじめました!
(↑設計中、本当に痛々しいくらいフラフラになっていました。)
本当にドキドキします!!
posted by hara takuya at 23:48| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月16日

とんとんとんとん。

こんにちは!
こんばんは!
今週も、はじまりました!
月曜日は『川島の家』の定例打ち合わせの日。
さぁ、どこまで進んでいるのかな?

現場に着くと、家はまた先週とは違う姿で建っていました。
現場は進み始めたら、早い早い!
まるで赤ん坊が成長するみたいです。

今日は屋根の方で、
とんとんとんとん♪
音がします。
何かと思えば『とんとん葺(ぶき)』の真っ最中でした。

一般的に皆さんが見られる、屋根の瓦の下には防水工事が施されております。
最近の屋根の下には普通『アスファルトルーフィング』といわれる工業製品等で防水されています。
それで、普通一般であればなんら問題はありません。

しかし『川島の家』では、やはり日本の伝統工法を大事に考えて設計していますので、
少々、高価な仕事になりますが、薄く割った『杉板』を屋根に貼ることにしました。
なお、発達した技術も大事ということで『アスファルトルーフィング』も『杉板』の下に敷いております。

やはり、家を設計する上で雨漏りは本当に避けなくてはならない重要事項ですので、
念には念を押しています。
水って、なめていると想像を超えたところから侵入してきますので・・・。
建築家は水との戦いといっても過言ではないかもしれません。

ここまでくれば、次はこの上に瓦が敷かれます。
瓦も淡路島まで行って、吟味した瓦です。
瓦が敷かれるのも楽しみです。
楽しみは、まだまだいっぱい残っています。

本当に設計事務所にとって、家は産みの苦しみを伴った赤ん坊と同じです。
成長が本当に待ち遠しいです。
無事すくすく育ってくれることを願っております☆

R0012825.JPG
とんとんと職人さんによって、一枚一枚貼られた杉板です。
結局は瓦で隠れてしまうのですが、こういった仕事を大事にしていきたいと思っております。
posted by hara takuya at 23:47| ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月03日

助っ人。

こんにちは!
こんばんは!
今日は『川島の家』の茶室部分の大工さんの切り組みを見てきました。
一般的に大工さんは進行中の現場とは別の場所で木にあらかじめ細工(切り組み)をしておきます。
現場でするには難しい細工(切り組み)をしておくことで、
現場に運びこんだときには一気に組み上げていくことができます。

ようするに、プラモデルのパーツづくりのようなものです。
自分達(大工さん)でパーツをつくり、
自分達(大工さん)で組み上げるという感じです。
しかし、いろいろ複雑でプラモデル的要素とさらにパズル的要素も含まれているように感じます。
いつも大工さんには驚かされてばっかりです。
ちなみに説明書(設計図)は僕達が描いているんですけどね。

『川島の家』に関しては本格的な茶室と数奇屋ということで難しい仕事が多く、
今回、東京の方から3名の大工さんに助っ人に来てもらっています。
今まで由緒ある建築を建ててこられた大工さんたちだけあって、
本当にひとつひとつの仕事が光っています。

気持ちの良い仕事は本当に嬉しくなります。
良い仕事をしてもらうには、僕達は恥ずかしくない設計図を、
大工さんをはじめ関わる業者さん全てに、お渡ししなくてはならないと思っています。
それが、最後にお客さんに喜んでもらえる道だと確信しています。

今日は本当に良い仕事を見ることができました。
僕は僕の道で自分の仕事を磨いていこうと思います。
いつか、自分の仕事を求めてもらえる日を願って。

R0012589.JPG
丸太の柱に細工をするのは難しく、
そのための道具の箱定規というのをはじめて見ました。
これも大工さんのお手製だそうです。
ひとつひとつが勉強になります。
posted by hara takuya at 23:44| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月25日

今日は月曜日。

こんばんは!(こんにちは!)
今日は月曜日。
また一週間がはじまりました!
大人になると時間の流れが速いです。
昔はもっと一週間が長かったような??

そして、物忘れも激しくなりました。
もしかして、水曜日・木曜日あたりの記憶が抜けている?
いやいや、大人は仕事が忙しくて時間が足りないんです。
1日24時間じゃ足りません。

でも、子どもの頃は一日が充実していたことは事実だと思います。
なぜなら、ひとつひとつの授業や毎日の体験が全てが新しいことでしたから。
きっと、密度が濃かったと思います。

大人になってからは、一日の大体の予測を立てて日々を消化しています。
子どもの頃は、一日に何が起こるかなんてわかっていなかった気がします。
もっと、スリリングな一日を過ごしたいです。
それには、自分から一日のイベントをつくらないといけませんね。

このまま、何も残せないまま、歳を重ね死んでしまうのはイヤです。
一日一生のつもりで毎日を生きぬいていきたいです。
そうすれば、きっと何か足跡を残せると信じています。
さぁ、明日も頑張ろう!

R0012492.JPG
月曜日は定例打合せの日。
大工さんが高いところで破風(はふ)をつけておられました。
少しずつ家になっています。
くれぐれも、落ちないでくださいね。
posted by hara takuya at 23:44| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月21日

安心=家

こんばんは!(こんにちは!)
『川島の家』の現場がどんどん忙しくなってきました。
週に1回の定例会議では間に合わなくなってきています。
今日は大阪から構造の専門家さんに来てもらい、いろいろチェックしてもらいました。

『川島の家』は古来より伝わる日本建築の伝統工法を大事に考え、
貫(ぬき)というものを用いて土壁で構造を持たせる方向で進めています。
ある意味、進歩した時代とは逆行しているので、きちんと昔の工法が、
現在の耐震基準を満たしているか確認しながらの作業を行っています。

構造の先生に確認してもらった結果、本日無事OKを貰えたので、
これから安心してドンドン現場を進めて行けます。
せっかく、たくさんのお金をかけて建てた家が倒れてしまったら困りますからね。

お客様の命を守らなくてはいけない家が、
逆にお客様の命を奪う結果になってしまうことはあってはなりません。
自分自身の全てを委ねることができる場所こそが家だと考えています。
つまりは、『安心=家』でなくてはならないハズです。

昨年はいろいろな事件もありましたが、
私達は、もう一度しっかりと本来の自分達の仕事の意義を見つめ直し頑張ってまいります。
どうか建築家をヨロシクお願い致します!

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構造の先生を交え、みんなでいろんなことを協議しています。
目指すところは、みんな同じところです。
『お客様の幸せ』それが、辿り着くべき頂上です。
posted by hara takuya at 23:56| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月12日

上棟式。

こんばんはっ!(こんにちはっ!)
今日はメデタイメデタイ上棟式でした☆
天気は生憎、快晴とはいきませんでしたが、
なんとか持ちこたえてくれて良かったです!

とても、とても難しい現場なので実際に骨組みが組みあがるまで、
設計事務所としては心配で心配で仕方がありませんでした。
しかし、複雑な図面を現場監督さん、大工さんがきちんと読み取ってくださったおかげで、
無事、組みあがってくれました!(大工さんには本当に難しかったと言われました。。。)
みなさん本当にありがとうございました!

本日、式も無事済み、またこれからは新しい工程に入っていきます。
建物の輪郭は出来たので、それがどう埋まっていくのか楽しみです。
最後はみんなで喜べる家になることを信じて、これからも頑張ってまいります!

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工事の安全を祈願しました。
本当にみなさんが怪我のないことを祈ります。
posted by hara takuya at 23:45| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月28日

定例打合せ。

月曜日はやっぱり苦手です。
学生時代から、ずっとそう。
月曜日がくるのが楽しみな仕事人にいつかなれるかな?

毎週月曜日は『川島の家』の定例打合せの日です。
現場事務所には、
現場監督さん、
電気屋さん、
空調屋さん、
水道屋さん、
そして私達が顔を揃えます。
ちなみに今日はシャッター屋さんも来てくれていました。

毎週毎週、現場の進捗状況を確認します。
問題箇所がないかチェックすることはモチロンですが、
業者さんにこちらの作製した図面について質問してもらったり、
こちらとしても業者さんに疑問点を質問したりして共通理解を深めます。

課題としてあがった点は一週間かけて、
回答を見つけたり、
図面としてカタチにしたり、
サンプルを取り寄せたりして、
次の月曜日にまた、みんなで報告しあいます。
その積み重ねが『安心』に繋がるように感じています。

打合せの後はお施主さんに、ご報告にあがります。
そこでも、新たな要望などがあがれば次週の打合せで検討します。
お施主さんが本当に求めるものを提供するためにも、
コミュニケーションは本当に大事に思います。
ご報告時に「ホッ」としてくださるお施主さんの顔が何よりの喜びです。

一週一週を大事に仕事をしていきたいと思います。
現場は目に見えて進むものではありませんが、
それでも打合せ記録をちょっとさかのぼると、
「あー、こんなコト話してたなぁ〜。」
と感慨深く思います。

積み重ねって本当に大事ですよね。
このブログも一日一日積み重ねていければと思います。
さて、いつまで頑張れるやら。。。

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打合せ風景です。
みんな真剣そのものです。
みんなの力を合わせて、ひとつのカタチに向かうのって素敵に感じます。
posted by hara takuya at 20:54| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 川島の家 【数寄屋・茶室】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする